データで振り返る、常総市という街の歩み

常総市の人口は平成17年をピークに減少局面が続いています。一方で圏央道の開通やIC周辺の開発、多文化共生のまちづくりなど、街の姿は静かに変わりつつあります。本記事では、常総市が公表している統計データと茨城県・国が公表している地価公示データを突き合わせ、人口動態と地価の推移を数字ベースで整理しました。感覚的な「上がっている」「下がっている」ではなく、一次資料に基づいた目安として参考にしてください。

まず押さえておきたい常総市の基礎データ

茨城県統計課「茨城県常住人口調査」によれば、常総市の常住人口は令和8年4月1日時点で58,018人、世帯数は23,990世帯です(国勢調査結果を基に推計した数値)。面積は123.64平方キロメートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり469.2人となっています。世帯数が2万4千弱に対して人口が約5.8万人ということは、平均世帯人員は2.4人程度と計算でき、単身・二人世帯が一定の割合を占めていることがうかがえます。

市域は「水海道」と「石下」の2つに分かれる

常総市は2006年に水海道市と結城郡石下町が合併して誕生した市です。そのため統計上も「水海道分」「石下分」に分けて公表されることが多く、令和8年7月1日時点の住民基本台帳人口では、水海道分が36,695人、石下分が23,164人と、水海道エリアの方が人口規模は大きくなっています。不動産の相場や生活圏を考える際も、この2エリアはやや性格が異なる点に留意が必要です。

国勢調査で見る長期人口推移

総務省統計局「国勢調査」による常総市の人口推移は、以下の通りです。

  • 昭和60年(1985年):63,247人
  • 平成2年(1990年):64,344人
  • 平成7年(1995年):66,029人
  • 平成12年(2000年):66,245人
  • 平成17年(2005年):66,536人(ピーク)
  • 平成22年(2010年):65,320人
  • 平成27年(2015年):61,483人
  • 令和2年(2020年):60,834人

平成17年の66,536人をピークに、以降は一貫して減少局面にあることが数字から読み取れます。特に平成22年から平成27年にかけての5年間で3,837人(減少率5.9%)減少しており、他の期間と比べて減少幅が大きくなっている点が目を引きます。この背景には、2015年9月に発生した鬼怒川の堤防決壊による大規模水害の影響があると考えられます。

常総市 人口推移グラフ 国勢調査データ ハウスドゥ守谷
常総市の人口推移(国勢調査データより作成)

直近の人口動態|出生・死亡・自然減の実態

茨城県「茨城県人口動態統計」によれば、常総市の令和6年(2024年)の出生数は198人、死亡数は857人でした。単純計算で年間659人の自然減となっており、これは市の人口の1%を超える規模です。年齢別人口割合(令和7年10月1日現在)を見ると、15歳未満が9.9%、15〜64歳の生産年齢人口が58.5%、65歳以上が31.6%となっており、高齢化率が3割を超えている状況です。全国的な傾向と同様、自然減が人口減少の主因になっていると考えられます。

2015年の水害が人口動態に落とした影響

2015年9月10日、関東・東北豪雨により鬼怒川の堤防が決壊し、常総市域の約3分の1が浸水、約4,300人が救助を要する事態となりました。この災害は「常総水害」として広く報じられ、住宅の再建や移転を余儀なくされた世帯も少なくありませんでした。平成27年(2015年)の国勢調査はこの災害の直後にあたるため、人口減少幅の拡大には水害による転出も一定程度寄与したとみられます。常総市はその後「常総市復興計画」を策定し、常総インターチェンジ周辺を新たな拠点として位置づけ、農業・商業の再生を軸としたまちづくりを進めてきました。10年が経過した現在も、堤防強化や治水対策と合わせた地域再生の取り組みが続いています。

常総市は外国人住民の比率が高いという特徴

常住人口の内訳を住民基本台帳ベースで見ると、常総市の総人口59,859人(令和8年7月1日現在)のうち、外国人が7,400人を占めています。比率にして12%超という数字は、県内の他市町村と比較してもかなり高い水準です。石下分では23,164人中3,501人が外国人で、比率は約15%に達します。工業団地や農業分野での就労を背景に、常総市は早くから多文化共生のまちづくりに取り組んでおり、この人口構成の特徴は不動産需要(賃貸・売買双方)にも影響を与えている可能性があります。

茨城県内における常総市の人口規模の位置づけ

常総市の人口密度は469.2人/km²で、農地が市域の49.5%を占める(令和6年1月1日現在、宅地は16.6%)ことからもわかる通り、都市部というよりは農業と住宅地が混在するベッドタウン・地方都市型の街といえます。近隣の守谷市やつくばみらい市がつくばエクスプレス沿線として人口増加基調にあるのとは対照的に、常総市は関東鉄道常総線と圏央道を基盤とした街づくりを進めている点が特徴です。

地価から見る常総市の不動産市場

次に地価の動きを見ていきます。地価公示・都道府県地価調査のデータをまとめる「地価マップ(tochidai.info)」によれば、2026年(令和8年)の常総市における住宅地の平均地価は坪単価7.2万円(1平方メートルあたり2.2万円)で、前年の2025年と比較して3.4%の下落となっています。国土交通省の地価公示は、実際の取引価格そのものではなく、毎年1月1日時点の標準地における鑑定評価に基づく指標値である点に留意が必要ですが、市場動向を読む上での客観的な目安として広く使われています。

人口減少と地価下落は連動しているのか

平成17年をピークに人口が減少を続けてきた常総市では、住宅需要の縮小が地価の下落圧力として作用してきたと考えられます。ただし下落率は年によって幅があり、圏央道常総インターチェンジ周辺など利便性の高いエリアでは下げ止まりの動きも見られます。地価は「エリア全体の平均」であって、駅からの距離や街道沿いかどうかなど個別要因で大きく変わるため、ご自身の物件がどのゾーンに位置するかによって、市の平均値とは異なる評価になるケースも珍しくありません。

水海道と石下、エリアによる相場の違い

常総市は合併前の旧2市町の名残から、水海道エリアと石下エリアで街の成り立ちや利便性が異なります。水海道エリアは関東鉄道常総線・水海道駅を中心に市役所や商業施設が集積し、市の中心市街地としての機能を持ちます。石下エリアは同じく常総線・石下駅周辺に生活基盤があり、圏央道の坂東インターチェンジや常総インターチェンジへのアクセスも比較的良好です。当店ではこれまでも水海道宝町エリアの中古戸建て相場など、地区単位での売却相場についてご案内してきました。エリアごとの詳しい相場は、下記の関連記事もあわせてご参照ください。

人口減少局面での不動産売却、何を判断材料にすべきか

人口が減少し、地価も下落傾向にあるという事実だけを見ると、「売るなら早い方がいい」という結論に飛びつきたくなるかもしれません。ただし実務上重要なのは、市全体の平均値ではなく、対象不動産が所在する具体的なエリア・駅距離・接道状況・建物の状態です。特に相続などで取得した実家や空き家については、市場全体の下落トレンドよりも「そのまま保有し続けることで発生する固定資産税・管理コスト」との比較で判断することが現実的です。

圏央道と常総インターチェンジ周辺の今後

常総市復興計画では、常総インターチェンジ周辺を新たな拠点として位置づけ、物流・商業機能の集積を図る方針が示されています。圏央道沿いは首都圏へのアクセスの良さから物流施設の立地が進んでおり、こうした産業インフラの動きは、中長期的に周辺の地価や住宅需要にも影響を与える可能性があります。ただし、これは将来の見通しであり確定した数字ではないため、あくまで一つの材料として捉えていただくのが適切です。

売却を検討する際に確認したい3つの視点

1. 公的データと実勢価格の両方を確認する

地価公示は市場価格そのものではなく、あくまで参考指標です。実際の売却価格(成約価格)は、公示地価に対して個別の需給状況で上下します。売却を具体的に検討する段階では、公示地価だけでなく、近隣の類似物件の実際の成約事例を確認することが欠かせません。

2. 人口動態は「市全体」と「自宅周辺」を分けて見る

市全体の人口が減少していても、駅前や幹線道路沿いなど利便性の高いエリアでは需要が維持されているケースがあります。逆に市全体では横ばいでも、特定の地区だけ空き家が目立つということもあります。市の統計は大きな流れをつかむための材料とし、実際の判断は個別エリアの状況で行う必要があります。

3. 水害リスクへの向き合い方を整理しておく

2015年の水害を経験した常総市では、購入検討者が水害リスクやハザードマップを重視する傾向があります。売却を検討する際は、堤防強化などその後の治水対策の状況や、対象物件の浸水想定区域における位置づけを事前に確認し、購入希望者からの質問に備えておくとスムーズです。

常総市の不動産売却でよくある質問

Q. 常総市の人口はこれからも減り続けますか?

公表されている統計からは、自然減(死亡数が出生数を上回る状態)が続いていることが確認できます。将来の人口を確実に予測することはできませんが、直近の出生198人・死亡857人(令和6年)という数字からは、当面は自然減の傾向が続く可能性が高いと考えられます。一方で外国人住民の転入超過など社会増の要因もあるため、総人口の増減は単純な右肩下がりだけでは説明できない面もあります。

Q. 常総市の地価は今後も下がり続けますか?

2026年の住宅地平均地価は前年比3.4%の下落となっていますが、下落率はエリアや年によって差があります。圏央道インターチェンジ周辺など利便性の高い一部エリアでは下げ止まりの動きも見られるため、市全体の平均だけで一律に判断せず、対象エリアの個別動向を確認することをおすすめします。

Q. 水海道と石下、どちらのエリアが売却しやすいですか?

一概にどちらが有利とは言えません。水海道は市の中心市街地として生活利便施設が集積し、石下は圏央道インターチェンジへのアクセスに強みがあります。物件の立地条件(駅距離・接道・築年数など)によって適した売却戦略が異なるため、エリアの特性を踏まえた個別査定が重要です。

Q. 水害があった地域の不動産は売却しにくいのでしょうか?

購入検討者がハザードマップや浸水想定区域を確認するケースは増えていますが、それだけで売却が困難になるわけではありません。堤防強化などその後の対策状況や、物件自体の立地・標高などを整理して説明できる状態にしておくことが、スムーズな売却につながります。

まとめ|数字を味方につけた売却判断を

平成17年をピークとした人口減少局面。2015年の水害も、その減少幅を広げた一因とみられます。地価もまた2026年時点で前年比3.4%の下落という統計が示されています。ただしこれらは市全体の平均的な傾向にすぎません。水海道・石下という2つのエリアの違い、駅距離や接道状況といった個別要因により、実際の売却価格は大きく変わってきます。市の統計データは「大きな流れをつかむための地図」として活用し、実際の売却判断は物件ごとの個別査定で行うことが大切です。当店では常総市エリアの売却・査定について、地域の実情を踏まえたご相談を承っております。

常総市内での売却実績は売却査定実績とお客様の声でもご紹介していますので、あわせてご参照ください。

常総市エリアの関連情報

常総市の不動産売却・買取・査定については、エリアページでも詳しくご案内しています。あわせてご覧ください。

無料相談フォーム

この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。

    物件種別(必須)

    物件のご住所(必須)

    マンション名(マンションの方のみ)

    お名前(必須)

    お電話番号(必須)

    メールアドレス(必須)

    ご希望の相談方法(任意)

    ご来店・訪問をご希望の方は、日時をご指定ください

    第1希望日時(任意)


    第2希望日時(任意)



    備考(任意の補足)