守谷市はつくばエクスプレス沿線の新興住宅地が広がる一方、駅から離れたエリアには昭和期に建てられた築年数の古い住宅も数多く残っています。こうした築古住宅を解体する際に必ず関わってくるのが「アスベスト(石綿)」の事前調査です。2022年4月からは個人の住宅であっても事前調査とその結果の報告が法律で義務化されており、知らずに解体を進めてしまうとトラブルの原因になります。
アスベスト事前調査は2022年4月から個人宅も義務化
環境省の制度により、2022年4月1日以降に着工する解体工事・改修工事では、工事の元請業者に事前調査の実施と、その結果の行政への報告が義務付けられています。対象となるのは床面積の合計が80平方メートル以上の解体工事、または請負金額が100万円(税込)以上の改修工事です。この義務は工事を発注する建物の所有者が個人であっても変わりません。「自分の家だから関係ない」ということはなく、実家の解体を検討する際は必ず知っておく必要がある制度です。
アスベストが含まれていなくても報告は必要
事前調査の報告義務でよく誤解されるのが、「アスベストが入っていなければ報告しなくてよい」という点です。実際には、アスベストの含有の有無にかかわらず、事前調査を行った結果は行政(都道府県や政令市など)へ報告することが義務付けられています。調査を行わずに解体を進めた場合、含有の有無にかかわらず法令違反となる可能性があるため、解体業者に見積もりを依頼する段階で、事前調査の実施と報告について必ず確認しておきましょう。

アスベストを含む建材が使われやすい時期の目安
アスベストを含む建材は、屋根材(スレート瓦)や外壁材、天井の吹き付け材などに広く使われてきましたが、2006年(平成18年)以降は原則として製造・使用が禁止されています。それ以前、特に1975年(昭和50年)前後から1990年代にかけて建てられた住宅では、アスベストを含む建材が使われている可能性が相対的に高くなります。守谷市内でも、つくばエクスプレス開通(2005年)より前から建っている旧市街地や農村部の住宅は、この時期に該当することが少なくありません。ただし、実際に含有しているかどうかは事前調査を行わないと分からないため、築年数だけで判断せず、必ず調査結果を確認することが大切です。
アスベストが心配な家、売却の3つの選択肢
アスベストの含有が疑われる築古住宅であっても、売却の方法はひとつではありません。建物付きのまま現況で売却する方法、事前調査だけを行い結果を開示したうえで売却する方法、解体してから更地として売却する方法の3つが主な選択肢です。それぞれ費用負担のタイミングや買い手の見つかりやすさが異なるため、どの方法が合っているかは建物の状態や急いでいるかどうかによって変わってきます。
除去・処分にかかる費用の考え方
事前調査の結果、アスベストの含有が確認された場合、含有建材の種類(レベル1〜3)によって除去作業の方法や費用が大きく変わります。屋根や外壁に使われる比較的リスクの低い建材(レベル3)であれば費用は抑えられる傾向がありますが、吹き付け材など飛散性の高い建材(レベル1・2)が使われている場合は、専門業者による厳重な除去作業が必要となり、費用も高額になりやすい点に注意が必要です。正確な費用は現地調査を受けた解体業者からの見積もりで確認しましょう。
解体前に不動産会社へ相談するメリット
「まず解体してから売却先を探そう」と考えがちですが、解体前の建物付きの状態で不動産会社に相談することで、現況のまま売却したほうが総額で有利になるケースが見つかることもあります。特にアスベストの除去費用がかさむ可能性がある建物では、解体費用を先に自己負担するリスクを避け、買主側の事情に合わせて売却方法を選べる現況売却が結果的に有利になることも少なくありません。
アスベスト事前調査の流れは書面・目視・分析の3段階
アスベストの事前調査は、いきなり建物を壊して調べるものではなく、「書面調査」「現地の目視調査」「分析調査」という段階を踏んで進められます。まず書面調査では、建築時の設計図書や図面、改修の履歴などを確認し、どの部分にどんな建材が使われているか、いつ施工されたかを把握します。次に、現地で天井・壁・床・外壁・屋根などを実際に見て回る目視調査を行い、図面だけでは分からない増改築部分も含めて確認します。

書面調査で確認する図面と書類
書面調査では、設計図書・確認申請図面・仕上表・過去のリフォーム工事の記録などが手がかりになります。守谷市内の築古住宅では、図面が見つからないケースも少なくありません。その場合でも、現地の目視調査と、建材の製品情報の確認で調査を進められますので、図面がないからといって調査ができないわけではありません。ご家族に保管書類の有無を確認しておくと、調査がスムーズです。
分析調査は「含有の判定」を確実にする方法
目視で石綿含有の有無を判断できない建材は、試料を採取して分析機関で調べる分析調査を行います。一方で、分析を行わず「石綿が含まれているものとみなして」工事を進める方法もあります。この場合は分析費用を省ける反面、除去などの対策が必要になるため、解体費用が高くなる可能性があります。どちらが適しているかは建物の状態や工事内容によって変わりますので、解体業者と相談して決めましょう。
| 調査の段階 | 主な内容 | 確認する対象の例 |
|---|---|---|
| 書面調査 | 設計図書・図面・改修履歴から使用建材と施工時期を確認 | 図面、仕上表、リフォームの記録 |
| 目視調査 | 現地で実際の建材を確認し、書面の内容と照合 | 天井・壁・床・外壁・屋根・増築部分 |
| 分析調査 | 試料を採取して分析機関で含有を判定(みなし扱いも選択可) | 判断がつかない建材、成形板など |
事前調査ができる資格者と、結果の報告方法
2023年10月1日からは、解体・改修工事の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ人が行うことが求められています。戸建て住宅の場合は、「一戸建て等石綿含有建材調査者」の資格者による調査も認められています。解体業者に見積もりを依頼する際は、調査を行う人が資格者であるかどうかを確認すると安心です。
調査結果は、元請業者が電子システム(石綿事前調査結果報告システム)を通じて、労働基準監督署や自治体へ報告します。あわせて、調査結果の記録は工事終了後も3年間保存することとされ、工事現場にも調査結果の概要が掲示されます。発注者として、「報告は済んでいるか」「調査結果の書面を見せてもらえるか」を事前に確認しておくとトラブルを防げます。
石綿含有建材のレベル区分と築年数の目安
アスベストを含む建材は、飛散しやすさ(発じん性)に応じてレベル1〜3に分けられます。一般的な戸建て住宅で見つかりやすいのは、屋根のスレート、外壁のサイディング、床のビニル床タイルなどのレベル3の成形板が中心です。レベル3は比較的飛散しにくいとされますが、割ったり削ったりすると飛散するおそれがあるため、解体時の施工方法には十分な注意が必要です。
| レベル | 建材の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| レベル1 | 吹付け石綿など | 飛散しやすく、最も注意が必要 |
| レベル2 | 保温材・耐火被覆材・断熱材など | レベル1に次いで飛散しやすい |
| レベル3 | スレート波板・サイディング・ビニル床タイルなどの成形板 | 比較的飛散しにくいが、破砕時は注意 |
なお、アスベストの使用は段階的に規制され、2006年9月からは製造・使用が全面的に禁止されました。そのため、守谷市内でも昭和後期から平成初期に建てられた住宅は、石綿含有建材が使われている可能性を一度は疑って調査したほうが安全です。築年数が新しい住宅でも、対象規模の工事であれば事前調査と報告は必要です。
解体や改修の施工前に確認したい書面と守谷市での進め方
実際に解体や改修を依頼するときは、見積書に事前調査の費用が含まれているか、調査結果の概要を書面でもらえるか、石綿が見つかった場合の追加費用の考え方はどうなっているか、の3点を確認しておきましょう。あわせて、建物の概要(所在地・構造・延床面積・築年)を整理しておくと、調査の依頼や見積もりがスムーズに進みます。
アスベストの調査や除去について、市や県が補助制度を設けている場合があります。内容や受付期間は年度によって変わるため、守谷市や茨城県の窓口で最新の情報をご確認ください。築古の実家をどう手放すか迷っている場合は、守谷市の実家・空き家の売却ガイドや、建物滅失登記の期限と注意点、老朽化の不安がある場合は建物倒壊のリスクと対策、浄化槽がある家は浄化槽のある家の売却も合わせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. アスベストの事前調査は誰が行いますか?
A. 工事の元請業者(解体業者・リフォーム業者など)が、有資格者による事前調査を行う義務を負います。所有者自身が調査する必要はありませんが、調査の実施と報告がきちんと行われているかは発注者としても確認しておくと安心です。
Q. 事前調査の費用はどのくらいかかりますか?
A. 建物の規模や調査内容によって異なりますが、一般的な戸建て住宅で数万円程度が目安とされています。正確な金額は解体業者からの見積もりで確認してください。
Q. 築年数が新しい家でもアスベストの調査は必要ですか?
A. はい。2006年以降に建てられた住宅ではアスベスト含有建材が使われている可能性は低いですが、対象規模の工事であれば、築年数にかかわらず事前調査と報告の義務があります。
Q. アスベストが見つかったら必ず除去しないと売却できませんか?
A. 必ずしも除去が必須というわけではありません。含有の事実を買主に正確に開示したうえで、現況のまま売却することも可能です。ただし価格やスケジュールに影響することが多いため、事前に不動産会社へ相談することをおすすめします。
Q. 事前調査をせずに解体するとどうなりますか?
A. 法令に定められた調査・報告義務を怠ったことになり、行政指導や罰則の対象になる可能性があります。信頼できる解体業者であれば通常は必須の手順として対応してくれますが、発注者としても確認しておくと安心です。
Q. 解体前の建物付きの状態でも査定してもらえますか?
A. はい、承っております。ハウスドゥ 守谷では、解体前の建物付き物件の査定はもちろん、アスベストの有無を踏まえたうえでの売却方法のご相談も対応しています。
Q. 事前調査を行える人の資格は決まっていますか?
A. はい。2023年10月1日以降、解体・改修工事の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が行うこととされています。戸建て住宅では「一戸建て等石綿含有建材調査者」による調査も認められています。
Q. 分析調査は必ず行う必要がありますか?
A. 必ずしも必要ではありません。分析を行わず「石綿が含まれているものとみなす」方法も選べます。ただし、その場合は除去などの対策が必要になるため、費用面は解体業者とよく相談してください。
Q. 調査結果の書面は受け取れますか?
A. 調査結果の記録は元請業者が保存し、工事現場にも概要が掲示されます。発注者としても、見積もり段階で調査結果の書面を確認したい旨を伝えておくと安心です。
まとめ
2022年4月から個人宅の解体でもアスベストの事前調査と報告が義務化され、含有の有無にかかわらず調査結果の報告が必要です。守谷市内には築年数の古い住宅も多く残っているため、解体を検討する際はまず調査の要否と費用を解体業者に確認しましょう。解体してから売るか、現況のまま売るかで総額が変わることもあるため、解体前の段階で一度不動産会社にも相談しておくことをおすすめします。
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