「隣の空き家の草が、うちの敷地まで伸びてきている」「蚊やムカデが増えて窓も開けられない」——空き家の雑草と害虫をめぐるご近所からのクレームは、毎年、梅雨明けから夏にかけて一気に増えます。ハウスドゥ 守谷にも、守谷市・つくばみらい市・常総市・坂東市・柏市の空き家について「近所から苦情が来てしまった」というご相談が数多く寄せられます。
この記事では、雑草・害虫の問題がなぜ深刻なトラブルに発展するのか、放置した場合に所有者が負うリスク、法律上できること・できないこと、草刈りにかかる費用の目安、そして根本的な解決方法までを、順を追って整理します。苦情を受けてしまった所有者の方にも、近隣の空き家に困っている方にも、どちらの立場でも読める内容にしています。
空き家の雑草・害虫で近隣クレームが起きる仕組み
なぜ空き家の雑草は「急に」問題になるのか
人が住んでいる家の庭は、多少草が伸びても週末に抜けば済みます。ところが空き家は、誰も見ていない間に草が伸び続けます。春先に膝の高さだった雑草は、梅雨の雨と夏の日照で、7月には大人の腰から胸の高さまで伸びます。セイタカアワダチソウやクズのようなつる性植物は、フェンスを越えて隣の敷地に入り込みます。
厄介なのは、ここまで伸びてしまうと草刈り機でも一度では刈りきれず、費用も手間も跳ね上がることです。年に一度しか手を入れない、というサイクルでは、いつまでも「伸びきった状態」を近隣にさらすことになります。
雑草が呼び込む害虫・害獣
雑草そのものより、近隣の方が本当に困っているのは、そこに集まる生き物です。
- 蚊:草の陰は湿気がこもり、雨水がたまった鉢や側溝が繁殖場所になります
- ムカデ・ゲジ・ダンゴムシ:落ち葉や枯れ草の下を好み、隣家の玄関や床下に侵入します
- スズメバチ・アシナガバチ:手入れされない植え込みや軒下は営巣に適しています。刺傷事故につながると重大です
- シロアリ:湿った地面と朽ちた木材は格好の環境です。隣家の建物に被害が及ぶこともあります
- ハクビシン・アライグマ・ネズミ・野良猫:身を隠せる草むらと、空き家の床下や屋根裏がセットになると住み着きます
- ヘビ:ネズミやカエルを追って入り込みます。小さなお子さんのいるご家庭には切実な不安です
クレームの正体は「草」ではなく「不安」
苦情の電話や手紙は、草の長さそのものを責めているように見えますが、実際にご近所が感じているのは「この家はもう誰も見ていないのではないか」という不安です。放火されないか、崩れてこないか、不審者が入り込まないか——雑草は、その不安の最もわかりやすいサインなのです。
だからこそ、一度草を刈るだけでは、関係は元に戻りません。「これからどう管理していくのか」を示すことが、近隣クレームを収める本当の対処になります。
雑草を放置した空き家に起きる5つのリスク

リスク①:近隣トラブルと損害賠償
枯れ草に火がつけば、隣家に延焼するおそれがあります。伸びた枝が隣の車を傷つけたり、ブロック塀を押して傾けたりすることもあります。こうした損害が実際に発生した場合、空き家の所有者が管理責任を問われ、賠償を求められる可能性があります。「遠方に住んでいて知らなかった」は理由になりません。
リスク②:建物の老朽化が早まる
草が建物のまわりを覆うと、風通しが悪くなり、基礎や外壁がいつも湿った状態になります。湿気はカビとシロアリを呼び、床下から建物を確実に傷めていきます。雑草を放置した空き家は、放置した年数のぶんだけ、修繕にかかる費用も大きくなります。
リスク③:不法投棄・放火・空き巣
草が伸びきった家は、外から見て一目で「誰も管理していない」とわかります。敷地内にごみを捨てられる、割られた窓から人が入り込む、枯れ草に火をつけられる——こうした被害は、管理されていないサインが出ている家に集中します。不法投棄されたごみの処分費用も、原則として土地の所有者の負担になります。
リスク④:管理不全空家等に指定され、固定資産税が上がる
空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年12月13日に改正法が施行され、そのまま放置すればいずれ特定空家等になるおそれのある空き家を「管理不全空家等」として市町村が指導・勧告できる仕組みが加わりました。
住宅が建っている土地は、住宅用地の特例により固定資産税の課税標準額が最大6分の1(小規模住宅用地・200平方メートル以下の部分)に軽減されています。しかし、管理不全空家等または特定空家等として勧告を受けると、この特例の対象から外れ、土地の固定資産税が大幅に上がる場合があります。雑草の繁茂は、この指導のきっかけになりうる代表的な状態です。
リスク⑤:資産価値が下がり、売りにくくなる
草に埋もれた家は、写真を撮っても買主に良い印象を与えません。それ以上に、「境界標が草に隠れて確認できない」「敷地の形状がわからない」といった状態は、査定そのものを難しくします。手入れされていない期間が長いほど、建物の傷みも進み、提示できる価格は下がっていきます。
【2026年版】空き家の雑草と法律|できること・できないこと
隣地から越境してきた「枝」は切れるようになりました
従来、隣の敷地から越境してきた木の枝は、勝手に切ることができず、所有者に切ってもらうよう求めるしかありませんでした。しかし2023年4月1日施行の改正民法により、一定の場合には、越境された側が自ら枝を切除できるようになりました。
- 所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、相当の期間内に切除しないとき
- 所有者やその所在を知ることができないとき(所有者不明の空き家はこれに当たり得ます)
- 急迫の事情があるとき
つまり、空き家の所有者と連絡が取れない場合、隣家の側で越境した枝を切ることが認められる場合があるということです。所有者の立場から見れば、放置していると自分の資産に他人の手が入る状況を招く、ということでもあります。
「根」は以前から切ってよい
民法では、越境してきた「根」については、以前から越境された側が自分で切り取ってよいと定められています。枝と根で扱いが違う点は、意外と知られていません。
他人の敷地に入って草を刈るのはNG
一方で、越境していない、敷地内で伸びているだけの雑草を、隣人が勝手に入って刈ることはできません。他人の土地に無断で立ち入れば住居侵入にあたるおそれがあり、良かれと思って除草剤をまいた結果、植木を枯らしてしまえば損害賠償の問題にもなります。困っていても、自力での解決には限界があります。
市町村は代わりに草を刈ってくれるのか
多くの市町村には空き地・空き家の適正管理に関する条例があり、所有者への助言・指導・勧告を行うことはできます。ただし、市町村が所有者に代わって除草を行う(行政代執行)のは、特定空家等に該当し、危険が切迫しているといった限られた場合です。「市役所に言えばすぐ刈ってもらえる」わけではないという点は、双方が理解しておく必要があります。
近隣クレームを受けた空き家の所有者がまずやるべき4ステップ
ステップ①:まず連絡し、いつまでに対処するかを伝える
苦情を受けたとき、最も大切なのは「無視しないこと」です。すぐに刈れなくても構いません。「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。◯月◯日までに業者を手配します」と、期限を切って伝えるだけで、相手の不安は大きく下がります。近隣トラブルがこじれる原因のほとんどは、草そのものではなく、連絡が取れないことです。
ステップ②:現地の写真で状況を正確につかむ
遠方にお住まいの場合は、ご近所やご親族に写真を撮っていただくか、一度現地に足を運んでください。草の高さ、越境の有無、蜂の巣の有無、建物の傷み、不法投棄の有無を確認します。蜂の巣がある場合は、ご自身で近づかず、必ず専門業者に依頼してください。
ステップ③:草刈りを手配する
伸びきった雑草は、素人が一日で片づけられる量ではありません。刈った草の処分(自治体のごみ処理ルールに従う必要があります)まで含めると、業者に依頼したほうが結果的に安く、早く済むことが多いのが実情です。
ステップ④:「次はどうするか」を決める
一度刈っても、草は翌年また伸びます。年に何回、いくらかけて、誰が管理するのか。この見通しを立てないまま「また来年考えよう」としてしまうと、同じクレームを毎年受けることになります。ここが、この問題の本当の分かれ道です。
草刈り・害虫対策の方法と費用の目安
自分で草刈りをする場合
必要なのは草刈り機(レンタルも可能)、防護メガネ、長袖長ズボン、厚手の手袋、ごみ袋です。費用は道具代と処分費だけで済みますが、真夏の作業は熱中症の危険があり、蜂・ムカデ・ヘビとの遭遇リスクもあります。ご高齢の方や遠方にお住まいの方には、おすすめできません。
業者に依頼する場合の費用の目安
草刈り業者の料金体系は、面積あたりの単価制と、作業員1人1日あたりの人工(にんく)制に大きく分かれます。一般的な目安としては1平方メートルあたり数百円程度、あるいは作業員1人1日あたり2万円前後で案内されることが多いですが、これはあくまで目安です。実際には次の条件で大きく変わります。
- 草の高さと密度(伸びきっているほど高くなります)
- 敷地の広さと傾斜、樹木の有無
- 刈った草の量と、処分を依頼するかどうか
- 重機や車両が入れるか、手作業になるか
- 蜂の巣の駆除や、庭木の伐採・抜根を含むか
必ず現地を見たうえでの見積もりを、複数社から取るようにしてください。「草の処分費は別途」となっているケースが多いため、総額で比較することが大切です。
再発を防ぐ:防草シート・砂利敷き・除草剤
- 防草シート+砂利:初期費用はかかりますが、数年単位で草を抑えられます。長く保有する予定があるなら費用対効果は高くなります
- 除草剤:安価ですが、隣地への飛散、井戸水や家庭菜園への影響に配慮が必要です。近隣に事前にお伝えしてから使うのが無難です
- 草刈り後の低草化:定期的に刈り込むことで、背の高い草が優勢になりにくくなります
空き家管理サービスに委託する
月額制で、巡回・通風・通水・簡易清掃・草刈りなどを行うサービスもあります。近隣への安心材料としては有効ですが、費用は毎月かかり続けます。「いずれ使う予定がある家」なら合理的ですが、使う予定がない家の場合、支払いに終わりが見えない点は冷静に考える必要があります。
近隣の空き家に困っている方へ|苦情はどこに言えばいいか
まず所有者に伝える
所有者の連絡先がわかる場合は、直接お伝えするのが最も早い解決策です。感情的にならず、「いつ、どんな被害が出ているか」を具体的に、できれば写真を添えて伝えると、対応につながりやすくなります。
市町村の担当窓口に相談する
所有者がわからない、伝えても改善しない場合は、市町村の空き家担当課(環境課・建築指導課など、自治体により名称が異なります)にご相談ください。市町村は課税情報などをもとに所有者を調査し、助言・指導・勧告を行うことができます。すぐに草が刈られるわけではありませんが、記録が残ることには意味があります。
自治会・町内会に相談する
地域によっては、自治会が所有者と連絡を取れる場合や、共同で草刈りを行っている場合があります。個人で動くより、地域として伝えたほうが動きやすいこともあります。
抜本的な解決は「毎年の草刈り」ではなく「持ち続けないこと」
その空き家に、毎年いくらかかっていますか
草刈りの費用だけを見ていると、問題は小さく見えます。しかし、使う予定のない空き家を持ち続けるためにかかっているのは、それだけではありません。
- 固定資産税・都市計画税(毎年)
- 草刈り・剪定の費用(年1〜2回)
- 火災保険料
- 水道・電気の基本料金(契約を残している場合)
- 空き家管理サービスの月額費用
- 遠方の場合の交通費
- そして、近隣に気を遣い続ける精神的な負担
これらを合計すると、年間で数万円から数十万円になることも珍しくありません。10年持ち続ければ、それだけで建物1棟の解体費用に届いてしまうこともあります。しかもその間、建物は傷み続け、売れる価格は下がっていきます。
売却・買取という選択肢
「いつか子どもが使うかもしれない」「実家を手放すのは忍びない」というお気持ちは、私たちも数多くうかがってきました。ただ、その「いつか」が5年、10年と延び続けているなら、一度、数字にして比べてみることをおすすめします。
売却には、大きく2つの方法があります。
- 仲介:市場で買主を探す方法です。相場に近い価格をねらえますが、3〜6か月程度かかり、状態によっては解体や残置物の撤去を求められます
- 買取:不動産会社が直接買主になる方法です。価格は市場相場の7〜8割程度が目安になりますが、草が伸びたまま、家財が残ったまま、建物が傷んだままでも、現状のままお引き渡しいただけます。数日〜1か月程度での現金化が見込め、仲介手数料もかかりません
近隣クレームを受けている状況では、この「現状のまま引き渡せる」という点が非常に大きな意味を持ちます。草を刈り、家財を片づけ、リフォームしてから売る——という段取りを踏んでいる間にも、時間は過ぎていくからです。
相続した空き家なら、使える特例があります
相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円の特別控除」が使える場合があります。譲渡所得には所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて原則20.315%(所有期間5年超の長期譲渡の場合)が課税されるため、控除が使えるかどうかで手残りが大きく変わります。
また、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内(相続開始から実質3年10か月以内)の売却であれば、取得費加算の特例により、支払った相続税の一部を取得費に加えて譲渡所得を圧縮できます。
なお、相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。名義が故人のままだと売却の手続きに進めませんので、あわせてご確認ください。
守谷市・つくばみらい市・常総市・坂東市・柏市の空き家はハウスドゥ 守谷へ
ハウスドゥ 守谷は、守谷市を中心に、つくばみらい市・常総市・坂東市・柏市の不動産売却と買取をお手伝いしています。つくばエクスプレス沿線は都心へのアクセスが良く、守谷駅・みらい平駅周辺を中心に、住宅地としての需要が続いているエリアです。「もう値段がつかないだろう」と思われていた空き家に、想定を上回る価格が付くことも少なくありません。
ハウスドゥは、プロ野球の名捕手・古田敦也さんをイメージキャラクターに起用する全国ネットワークのブランドです。当社では「仲介で売った場合の想定価格」と「当社が直接買い取る場合の価格」を並べてご提示し、毎年かかっている維持費と比べながらご判断いただけるようにしています。
草が伸びたまま、家財が残ったままで構いません。査定は無料で、その場でのご契約を求めることもありません。まずは「今どうなっているのか」を知るところから、お気軽にご相談ください。
▶あわせて読みたい:守谷市の不動産売却・買取|ハウスドゥ 守谷
空き家の管理では、水まわりのトラブルも見落とされがちです。あわせて空き家の漏水と水道代|基本料金・減免制度・凍結対策もご覧ください。
空き家の雑草・害虫に関するよくあるご質問
Q. 空き家の草刈りは誰がするのですか?
A. 空き家の敷地の管理責任は所有者にあります。空家等対策の推進に関する特別措置法でも、空家等の所有者等が適切に管理する責務を負うと定められています。近隣住民や市町村が代わりに刈ってくれるわけではなく、所有者が自ら行うか、業者に依頼して手配する必要があります。
Q. 空き家の草刈り費用はいくらくらいかかりますか?
A. 面積あたりの単価制と、作業員1人1日あたりの人工制があります。一般的な目安としては1平方メートルあたり数百円程度、作業員1人1日あたり2万円前後で案内されることが多いですが、草の高さと密度、敷地の広さや傾斜、樹木の有無、刈った草の処分を依頼するかどうかで大きく変わります。刈った草の処分費が別途になっているケースが多いため、必ず現地を見た見積もりを複数社から取り、総額で比較してください。
Q. 空き家の雑草は市役所が除去してくれますか?
A. 原則としてしてくれません。市町村は所有者を調査し、助言・指導・勧告を行うことはできますが、代わりに除草する行政代執行は、特定空家等に該当し危険が切迫しているといった限られた場合に限られます。近隣の空き家でお困りの場合も、まずは市町村の空き家担当課にご相談のうえ、記録を残していくことが現実的な進め方です。
Q. 隣の空き家から伸びてきた枝は勝手に切ってもいいですか?
A. 2023年4月1日施行の改正民法により、一定の場合には越境された側が自ら枝を切除できるようになりました。具体的には、所有者に催告しても相当の期間内に切除しないとき、所有者やその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときです。なお「根」については以前から自分で切り取ってよいとされています。ただし越境していない敷地内の雑草を、無断で立ち入って刈ることはできません。
Q. 空き家の雑草を放置すると固定資産税は上がりますか?
A. 上がる場合があります。2023年12月13日施行の改正空家法により「管理不全空家等」の区分が設けられ、市町村が指導・勧告できるようになりました。勧告を受けると住宅用地の特例(小規模住宅用地は課税標準額が最大6分の1)の対象から外れ、土地の固定資産税が大幅に上がる場合があります。雑草の繁茂はその指導のきっかけになりうる代表的な状態です。
Q. 草が伸びたまま、家財が残ったままでも売却できますか?
A. できます。不動産会社が直接買主となる買取であれば、草が伸びたまま、家財が残ったまま、建物が傷んだままでも現状のままお引き渡しいただけます。仲介手数料もかからず、数日〜1か月程度での現金化が見込めます。買取価格は市場相場の7〜8割程度が目安になりますので、仲介で売った場合の想定価格と並べて比較したうえでご判断ください。
Q. 近隣から苦情が来たら、まず何をすればいいですか?
A. すぐに刈れなくても、まず連絡を返すことが最も重要です。「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。◯月◯日までに業者を手配します」と期限を切って伝えるだけで、相手の不安は大きく下がります。近隣トラブルがこじれる原因の多くは、草そのものではなく所有者と連絡が取れないことにあります。そのうえで現地の状況を確認し、草刈りを手配し、翌年以降どう管理するかを決めてください。



